冷凍食品(冷食)・冷凍野菜・お弁当の売上・取扱ランキング・ニュース

水産タイムズ社
トップページお問い合わせサイトマップ
業界交差点

この人に聞きたい:第861回
(週刊水産タイムス:22/11/28号)

商業捕鯨の自立を支える

共同船舶(株) 営業部長  高野 雄介氏

(たかの・ゆうすけ)昭和55年1月生まれ。愛知県出身。関西大学卒。共同船舶で主に営業畑を歩み、今年10月、営業部長に。家族は妻と娘2人。趣味はゴルフ。

 母船式捕鯨会社の共同船舶。異例ともいうべき42歳の若さで営業部長に昇進した。来春、アイスランド産ナガス鯨の輸入が4年ぶりに再開する。数量にして約3000t。鯨肉市場の拡大が急務だ。
 「それでも売れると思いますよ」。巧みなセールストークを駆使するタイプではないが、飾り気のない言葉に、誠実さと信頼感がにじむ。捕鯨をめぐる紆余曲折の中で常に営業の最前線に立ってきた自負と、ヘルシーでおいしい鯨肉の食材としての限りない魅力が、ゆるぎない自信につながっている。
 1982年の商業捕鯨モラトリアム後、南氷洋の調査捕鯨の副産物(冷凍鯨肉)として販売していた頃は赤肉1級でざっとキロ4000円。今よりはるかに高価だが、市場では引っ張りダコだった。
 だが、食の多様化が進んだ今は事情が違う。学校給食の「鯨の竜田揚げ」で育った世代も次第に高齢化してきた。
 現在、鯨肉の国内供給量は沿岸の小型捕鯨やノルウェーからの輸入を含めても約2000t。日本は2018年にIWC(国際捕鯨委員会)を脱退し、翌年に商業捕鯨を再開したものの、操業海域が排他的経済水域(EEZ)に限られており、調査捕鯨時代と比べて供給は半減している。
 少ない供給と低価格では、市場を維持することはできない。
 「アイスランドが捕鯨を行わなければ、捕鯨の大切な仲間を失い、日本の鯨肉市場も縮小に向かう。日本の鯨肉市場を拡大し、再生産可能な価格で流通させることは、決して不可能ではない」と信じ、前に進む。

水産タイムス 冷食タイムス
(C) Copyright 2004-2015, Suisan Times Co., Ltd. All Rights Reserved.
当サイトに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。  お問い合わせ |サイトマップ著作権・記事使用・リンク・個人情報の保護などについて>>