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この人に聞きたい:第869回
(週刊冷食タイムス:23/01/31号)

市販用進出で売り下支え

昭和冷凍食品(株) 代表取締役社長  金子 敦氏

(かねこ・あつし)1991年昭和産業入社。食品開発センターで主席研究員、所長を経て19年(株)スウィングベーカリー社長。21年4月から昭和冷食社長。茨城大学資源生物化学科卒。DIY、料理が趣味。1969年3月24日埼玉県秩父郡皆野町生、53歳。

丸たこ焼ライン、念願の増設

 コロナを機に需要急増した市販冷食に21年進出。製粉メーカーの経営資源を生かして他社と一線を画した商品、販売活動を推進。念願の自社工場のライン増強が決まったばかり。

 ――前12月期の概況から。
 金子 売上げは業務用の回復と新規の市販用の上乗せ効果で2.4%増と見ていますが、原料高の影響が非常に大きく、経常利益は半減を予想。大幅減益は避けられません。値上げもしましたが、全然追い付かない。特に電力料金は半年遅れで影響が出てくるのでやっかいだ。

 ――商品の動きは。
 金子 ワンタン・ラビオリは冬場の気温低下が遅く減少。プチケーキは外食、ホテルに需要が戻ってきたが、戻り切れず微減。たこ焼は4%増と好調。市販用にも発売した効果が生まれています。たい焼、今川焼は委託生産ですが生協共同購入で大幅に伸びて、全体で20%の増加。冷凍パン生地はインストアベーカリーで内製化が進んだこともあり減収。外食、ホテル需要が完全には戻り切ってないんですが、回復基調にあり、加えて量販店惣菜の採用が増えてきたのは明るい材料です。

 ――一昨年から本格参入した市販用の動きが気になる。
 金子 同業の先行他社に比べれば規模はまだまだだが、着実に浸透し、売上げも順調。他社があまり手掛けていなかった分野の商品に評価を得たと思ってます。

 ――本社新潟工場に念願の新ラインを敷設することになった。
 金子 当社は1993年3月の設立で23年度が30周年の節目。これを機に冷食事業をどうするか、昭和産業と議論を重ねてきましたが、冷食事業を成長させるという結論となり、ラインを増設します。主力の「丸たこ焼」を2ラインとし、供給力を能力上は月間60万食×2で120万食に。これで日本の食文化の一つであるたこ焼をより安全で高品質に供給します。3.6億円投資します。3月から稼働できるよう準備中。製品の積み増しを行っているところです。02年以来22年ぶりにフリーザーも新規導入します。脱フロン型です。

 ――能力2倍増はすごい。
 金子 いや、いま丸たこは3シフトで週6日稼働、計18シフトですが、2ラインになったら週5日の通常シフトとし、2シフト×5日×2ラインで計20シフト、2シフト分だけ増える計算。いずれシフト数を増やしたいと思っている。

 ――これで市販用も安心して拡売ができる。
 金子 ライン増設は長年の課題でしたが、決断するギリギリのタイミングがいまということです。

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