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この人に聞きたい:第890回
(週刊冷食タイムス:23/07/04号)

好業績で再び成長軌道に

ヤマダイ食品(株) 代表取締役会長兼社長  樋口 智一氏

(ひぐち・ともかず)1994年ヤマダイ食品入社、取締役就任。2000年会長兼CEO。02年から現職。グループ会社は国内9社、海外3社。新興企業への出資支援を数多く手がける。1974年三重県生まれ。学習院大経済卒。

三國シェフと顧問契約も

 ヤマダイ食品(三重県四日市市)はコロナ禍で落ち込んだ業績を回復させ、前3月期は過去最高の売上高を達成した。スーパー各社との商談では競合他社に負け続けていたが、次第にコンペで白星をあげるまでに営業力がついた。

 ――コロナ禍を乗り越えた原動力は?
 樋口 コロナ禍の影響で主要顧客のホテル・旅館、居酒屋が軒並みダメージを受け、当社の売上げも一時1/3まで落ち込みました。このままでは沈んでしまう。沈むか浮上するかの二者択一。それならばと営業全員で新規開拓に取り組みました。おかげさまで前3月期の売上高はコロナ前を超える約34億円と過去最高を達成しました。しかし、既存の取引先は6割しか戻っていません。つまり、残り4割が新規の取引先です。

 ――今期の見通しは?
 樋口 これまでにない勢いで売上げが伸びています。マーケット全体が通常に戻り始めていると感じます。コロナ禍で動きが止まっていた既存取引先のホテルや居酒屋などが少しずつ戻ってきており、宴会需要が回復すればさらなる上積みが期待できます。

 ――新規開拓ではスーパーにも営業先を広げてきた。
 樋口 当初はまったく商談が決まりませんでしたが、この3年間でノウハウが少しずつ積み上がり、ようやくコンペでも勝てるようになりました。20年は0勝100敗。21年で1勝99敗。22年は5勝95敗というイメージです。
 商談には提案力が求められます。社員らはこれまでサンプルと見積書を持って行くだけでしたが、何度も通ううちに鍛えられ、弁当の製造原価や売場の構造などがわかり、どうすれば売場が活性化するかといった提案力を磨くようになりました。

 ――三國清三シェフとアドバイザリー契約を結び、顧問に就いた。
 樋口 電話でアポを取り、直接お店にうかがったのがきっかけで、15年の付き合いになります。当社の商品について説明したところ、その場で三國シェフが取引先の社長に電話して、「アンチエイジングの冷凍野菜に関してはヤマダイ食品とやる」と言って切ったのです。
 以来、有名シェフを紹介してくれたり、国連総会の食事会を仕切られている時にご一緒させていただいたり、様々な世界を見せていただきました。私の恩人です。
 当社は今後、洋風惣菜の創作メニューを充実させていく考えで、メニュー開発のアドバイスをいただく予定です。

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