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この人に聞きたい:第892回
(週刊冷食タイムス:23/07/18号)

海外市場への展開拡大

マルハニチロ(株) 代表取締役副社長  半澤 貞彦氏

(はんざわ・さだひこ)昭和58年大洋漁業(株)(現マルハニチロ)入社。平成31年常務執行役員、令和元年取締役常務執行役員、2年取締役専務執行役員を経て4月から現職。昭和34年11月生まれ、63歳。宮城県出身。東水大卒。

中国では介護食に進出

 マルハニチロが成長領域に掲げる「海外市場への展開拡大」などについて、4月1日付で代表取締役副社長執行役員となった半澤貞彦氏に話を聞いた。

 ――中計の成長ドライバー領域として「海外市場への展開拡大」と「冷凍食品・介護食品の強化」を掲げている。
 半澤 先般発表した中国での介護食事業進出はその具体例のひとつ。中国最大の国営医薬品卸、国薬集団の系列会社をパートナーとして、中国に介護食の生産拠点を設け、現時点では都市部を中心に展開しております。
 中国には咀嚼(そしゃく)力や嚥下(えんげ)機能が低下した高齢者に向けた「段階的に粘度や固さを変えた食べやすい食事」を提供する施設が少なく、在宅介護向け商品も限られている。『介護良品』ブランドを立ち上げて、冷凍のムース食から始めています。介護食の認知徹底から進めて、4〜5年後には日本と同等の規模をめざします。

 ――子会社のヤヨイサンフーズも協力しているのか。
 半澤 中国事業に関して直接的な協力関係はありません。しかしヤヨイサンフーズ気仙沼工場のソフリ(同社の介護食ブランド)ラインで当社商品を生産するなど、グループのシナジー発揮に取り組んでいるという側面からは協力関係にあると言えます。国内では介護食分野でさらなる融合をめざしていきます。

 ――ベトナムの子会社、ベトナムサイゴンフードの近況は。
 半澤 日本向けの水産加工品がメインですが、レトルトや冷凍食品の設備もあり、ベトナム市場向け冷凍食品の開発・販売強化に向けて動いています。

 ――北米での冷凍食品も今後有望な事業のひとつだ。
 半澤 米国ニュージャージー州の新興企業、Waffle社(ワッフル社)に昨年出資。同社は歴史の浅い会社ですが、大手スーパーにも販路を獲得している有望企業。当社は米国市場での展開が他の大手メーカーに比べ遅れをとっているため、急ぎます。

 ――グループの海外の売上げ規模は欧州が最大で、すでに1千億円弱に育っている。
 半澤 欧州のシーフードコネクション社はえび・バサ・たら・サーモンなどの水産物を販売する会社。スペイン、オランダ、英国にある3社の株式を取得して子会社化しており、イタリア、ポーランドを加え事業展開しています。資源アクセスの強化とともに、欧州市場の拡大を進めます。

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