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この人に聞きたい:第897回
(週刊冷食タイムス:23/08/29号)

顧客が求める最優先課題は効率化

中設エンジ(株) 執行役員エンジニアリング本部長  喜多 道一氏

(きた・みちかず)設計事務所在籍時に中央設備エンジニアリング(現中設エンジ)に出向し、2000年正式入社。21年4月から現職。1級建築施工管理技士、一級惣菜管理士、HACCPコーディネーター。1964年東京生まれ。

売上げや利益につながる

 中設エンジ(名古屋市)は顧客の立場で課題解決に導く「ユーザーズエンジニアリング」が強み。ニーズの変化を鋭く読み取って、様々なソリューションをいち早く提案している。

 ――最近の顧客ニーズは?
 喜多 工場建設を予定しているお客様から課題として必ず挙がってくるのが「効率化」です。@人員配置や雇用など人の効率化、A動線の効率化、B製造方法の根本的な見直しを含めた製造エリアの効率化、C自動化・省人化など生産機械の効率化等々、これらをどう向上させるかが課題です。

 ――なぜ効率化?
 喜多 人や時間、コストに直接影響するからです。お客様は人材確保に危機感を持つ半面、人を減らして効果(効率化)を上げたい気持ちがあります。ただ、大きな工場ほど地域雇用の役割を期待されているため、むやみに自動化を進めて無人化するのは難しい。
 効率化によって余剰時間を確保できれば、製造量を増やしたり、他のアイテムの製造に時間を充てたりすることができます。コスト面では効率が上がれば、売上げ増や利益の確保につながります。

 ――ロボットの可能性は?
 喜多 ロボットは進化していますが、結局人の手に勝るものはないでしょう。今はまだスピード、精度ともに人の方が優れています。ただ、食品工場は先進技術を取り入れるスピードも速い。スマホやタブレットなどのIT技術はすでに多くの食品工場に入りこんでいますし、新工場の場合、管理業務のほぼ全てでスマホやタブレットを使っています。

 ――食品工場はSDGs対応も迫られている。
 喜多 SDGsが世界的な要請であることはわかっていても、設備投資という面ではイニシャルコストがかかるため、二の足を踏むお客様は少なくありません。
 そこで我々は「中設エンジが取り組むSDGs」という提案資料を作り、工場建設の基本計画、基本設計の期間でお客様とSDGsに対するコンセプトを立案協議しています。
 SDGs対応のソリューションは環境面では太陽光発電をはじめ自然冷媒の利用、未利用エネルギーの回収、食品残さによるメタンガスの利用など様々用意しています。
 働きやすい環境整備では脱臭装置や騒音対策設備の導入、パウダールーム、シャワールームの設置などを提案しています。いずれもイニシャルコストと費用対効果のバランスをどう取るかが重要です。

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