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この人に聞きたい:第910回
(週刊冷食タイムス:23/11/28号)

「おいしくて健康になれる」

(株)ニチレイフーズ マーケティング部長  奥村 剛飛氏

 

冷凍食品マーケット拡大に向けた開発ポリシー語る

 ニチレイフーズの奥村剛飛マーケティング部長はMCEI東京支部が21日都内で開催した定例研究会で「冷凍食品マーケット拡大に向けたニチレイの取り組み」をテーマに講演。聴講者60名に「おいしく食べながら健康になれる価値を提供したい」と伝えた。要旨は次の通り。
 「食品にはレディトゥイート(そのまま食べる)、ヒート(加熱して食べる)、クック(調理して食べる)、プリペア(下ごしらえ済み)がある。温度帯で見ると、常温であればレトルト食品は加熱して食べるくらいしかできないが、冷凍温度帯はすべてカバーできる。そのまま食べるのであれば自然解凍のおやつ。下ごしらえ済みであれば冷凍野菜。これが冷凍食品の良い点。
 当社は毎日の食事の中で、おいしく食べながら健康になれる価値を提供しようと考えている。食べ物のおいしさを追求する本能的欲求と、栄養を摂りたい、体型を維持したいという理性に基づく欲求が両立できるところをねらっている。来春の新商品で新しいコンセプトの一端が披露できると思う。
 上位概念として社内で『FoodJoy Equity』というステートメントを掲げた。FoodJoyは冷凍食品のおいしさと楽しさ。Equityは公平、分かち合える。食べる人にとっては『おいしく健康』。今まで我慢していたけど、おいしく健康になれるという価値を分かち合う。作る人にとっては時短につながり、ゆとりを生み出すことにつながる」。

物事の価値観を相対化する会社

 奥村部長は1997年に発売した具材とたれをセットにし、フライパンで調理する商品をはじめ、トレー入りの和風ごはん、おにぎり、小容量のカップ入りご飯など、過去に商品化した中で販売が芳しくなかった事例にも言及した。
 「今発売したらはまっていたかもしれない。当社は物事の価値観を相対化する会社のため、こういう商品を作ったら面白いのではないか、ということでさまざまな商品に取り組むことができる空気があった」。
 講演ではニチレイの歴史や、ニチレイフーズが「米飯」と「チキン」を戦略カテゴリーにしていること、冷凍食品市場の動向など、業界関係者以外の受講者にわかりやすく解説した。
 看板商品の「本格炒め炒飯」は発売から2015年辺りまで売上げに波があったものの、16年にラグビーの五郎丸歩選手を起用したテレビCMをはじめ、日高屋のチラシ、理容店「QBハウス」のモニターCM、ラーメンイベントなど全方位で認知を高めて以降、売上げが上昇曲線を描いている成功事例を示した。「それでもまだ3割の消費者が冷凍炒飯を購入していない。潜在市場は大きい」と奥村部長は指摘した。
 MCEIはMarketing Communications Executives Internationalの略。1954年、ニューヨークでセールスプロモーションの実務家が集まり、当時まだ体系化されていなかったノウハウの交流を始めた組織に端を発する。MCEI東京支部は69年創設。非営利のマーケティング研究組織として会員のボランティアで運営している。さまざまな業種業態の企業が法人会員として名を連ねている。

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