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この人に聞きたい:第913回
(週刊冷食タイムス:23/12/19号)

コロナ前比で確実に基盤拡大

(株)帝国ホテルキッチン 代表取締役社長  福本 雅志氏

(ふくもと・まさし)1987年ニチレイ入社。10年フクミツ(現ニチレイウエルダイニング)社長。13年からニチレイF業務用事業部長。常務を経て20年6月帝国HK社長。同志社大経済卒、64年11月7日生、59歳。

量販店扱い増加で認知も向上

 帝国ホテルの味をご家庭で」という同社の商品コンセプトが注目され、20年度、21年度と過去最高の業績。一転、人流回復で売上げが反動減。しかし次の手は多角的に打つ。

 ――上期は一転、非常に厳しい。
 福本 上期の環境は本当に厳しかった。コロナでバブル的なものだったと認めざるを得ない。ただし、コロナ前と比較すると、決して落ち込んでいるわけではない。

 ――というと。
 福本 冷食は19年比71.6%増、チルドも3.1%増、缶詰はギフト需要の減少で13.3%減と厳しいが、レトルト22.8%増、冷凍菓子4.6%増、常温菓子35.1%増、合わせて13.3%増と確実に伸びています。通期で見れば、コロナ前の19年が25億円、その後28億円、29億円とベースを高め、30億円の姿が見えてきたところです。

 ――今年は「新」へのチャレンジをテーマに質を高めるなどの取り組みの年だった。
 福本 経営基盤を固め、人財、働き方、オフィス環境なども改善し、30億円を超える力量を整えてきました。次年度以降の30億円達成に役立てた年だと思っています。

 ――生活者から「帝国ホテル」商品への注目度は変わってきた?
 福本 「どこで買えるか」という問い合わせ、ピーク時は1日10件程度ありました。ギフトでいただいて食べてみて、自分で買いたいという意味であることは明らか。本当に毎日多くあり、驚いてましたが、それがいまでも確実に1日数件あります。つまりファン層は残っており、これまでの当社活動が効いてきたかと思ってます。

 ――例えば。
 福本 イオン「@FROZEN」をはじめとして、量販店頭に当社品をコーナー化していただくことが増え、生協、あるいは帝国ホテルのカタログギフト等でも取り上げられたことで、生活者の目にふれる場面が増え、底辺が広がった。当社の営業部隊も、特に@FROZENの売場は絶対取ろうとずいぶん攻めてました。コロナを機に消費の2極化が進んでいますが、これに向き合い、しっかりと流れをつかんでいることは間違いない。

 ――しかしコスト高の環境だ。
 福本 その点では誠に厳しい。他のメーカー同様、諸コストが軒並み高騰しており、やむなく価格改定してます。今期、缶詰が目立って苦しいのもギフトの3千円、5千円、1万円の壁があるため。

 ――次年度の取り組みは?
 福本 1月の50周年、4月の本社移転に加え、新製品、パッケージ改良など様々な取り組みを進めます。ミッション等も制定しました。

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