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この人に聞きたい:第923回
(週刊冷食タイムス:24/03/05号)

組織改革で新規開拓を

大京食品(株) 代表取締役社長  窪田 洋一郎氏

(くぼた・よういちろう)1993年3月東京工業大学大学院修士修了。東京電力に25年間勤め、北京、シンガポール、オーストラリアに駐在経験あり。2018年大京食品に転じ、19年から現職。1967年9月8日生まれ、56歳。

新役員体制で議論を深める

 大京食品はこのほど組織改革を実施し、営業の新規開拓力を強化するとともに、それぞれの良さを引き出す新役員体制を始動することで全社的な生まれ変わりを図っている。

 ――今期の業績は?
 窪田 売上げは1割増に届かないくらいで、利益もそれなりに伸びています。値上げ効果もあるので実質的には良いとは言えません。前期決算から光が見え始め、コロナ禍よりは良い数字になってきました。とは言え社員全体にはここで安心してしまうのではなく、今がまさに頑張りどころと伝えています。

 ――販売にも変化が生じた?
 窪田 コロナ禍の影響もあり、かつては売上げの3〜4割を占めていた仕出し弁当が25%程度に減少しました。事業所給食や社食なども食数を減らし、やめるところも出てきました。一方で高齢者施設関係は新規獲得が進み、今では4割を占めています。市場として成長力もあり、期待しています。
 当社は元々仕出し弁当向けに「少品種・大容量」の商品を展開していましたが、高齢者施設向けには「多品種・小容量」の商品が求められることに苦労しています。その分コストも増えるのでピッキングや配送を改善することで利益を出せるよう努めています。 この物流の改善はメーカーや大手問屋では取り組むのが難しく、地域卸だからこそできる領域だと考えています。そのためにはすべてをデジタル化するだけでなく、細かい要望にも対応できるようアナログも残すことが大切です。

 ――営業の課題点は?
 窪田 新規開拓ができていないことです。そこで組織改革を通じて各々が取り組むべき課題を細かく分けて動けるようにしました。新規獲得や既存顧客への営業、バックアップ機能を振り分けて既存顧客を活かしながら少し暴れてもらうように期待しています。
 また新役員体制は社歴の深い人・浅い人それぞれの良さを引き出せるように決めました。私1人で決断するのではなく、互いに議論していく姿勢を見せていくことで社員の出世像を示し、モチベーション向上にもつなげていきます。

 ――IFAや日給連、首都圏卸等様々な企業・団体に属している。
 窪田 当社では外食や学校給食といった販路を持ち合わせていないですが、共通の経営課題に関する議論などを通じて他業界から学ぶことは多いです。交流を通じて得た知見をできるところから試し、成果を出していきたいです。 商品面でもそれぞれの特長を見ながら、自分たちの販路に合うものを見極めて活用しています。

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