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この人に聞きたい:第8回(週刊水産タイムス:05/06/27号)

「来期は輸入物回復の年に」

鰻輸入組合 理事長
森山 喬司 氏

日本鰻輸入組合の森山喬司理事長(佳成食品社長)に今後の見通しについて聞いた。

――今後の見通しについては。

森山 産地表示や薬物残留問題から3年目になるが、今年の夏も国産物を中心に販売する傾向は変わらないだろう。価格的な面と今年の池入れ状況から見て、ジャポニカ種のシラスが少なく価格も高騰したため、来年は
国産ウナギがさらに高くなる可能性が高い。輸入物の中国産が見直される年になるのではないか。3年ぶり
に欧州種の池入れが増え、来年の春以降長蒲焼用として出荷される。国産と輸入物の加工品の値差が大きく
開くだろう。何も問題が起こらず順調に行けば、輸入物は回復するチャンスの年になるだろう。

――台湾の動向に関しては。

森山 台湾は今年稚魚が入ってないので、とるに足らない生産しかされない。加工品では、台湾産は価格競争で太刀打ちできない状況になっている。台湾の活鰻は主流だったが、来年の生産は期待できる数量ではない。
つい最近も台湾で大雨が降り、ウナギが大量に池から流出したという情報もある。今までであれば大騒ぎになるところだが、中国物中心のマーケットになっているので、日本の活鰻業界に大打撃を与えるほどの影響はないだろう。

――中国物がメインになる。

森山 輸入物は中国物主体に今期と来期は動くだろう。台湾の生産が来期およそ5000tとすると中国はジャ
ポニカ種30t、欧州種50tなのでおよそ8万tの生産になる。日本が2万tとして日本・中国合わせ10万t。それに対して台湾5000tと大きく差が出る。台湾の活鰻が命令検査を受けてから激減し始め、その分を
中国が補うかたちで伸びている。

――今期の需給バランスは。

森山 供給面では中国物が十分に搬入される。国内物は6月末頃から新仔が出回り、夏の活鰻の供給は何の心配もない。加工品もすでに生産は終了しており同様に心配はしていない。価格が高くなった分だけ消費が落ちていると考えれば、供給量が減っても釣り合っていると言える。昨年9月以降相場は上がり消費も減った。相場はそれほど崩れず、ここまでは堅調な推移とみている。加工場が動かないため5月中旬から中国産活鰻の相場が緩くなり100円ほど下がったが、国産の相場は変わらないので現状のまま行くのではないか。生産・供給量が減ったので相場はさほど変わらないが、価格が高くなった分消費者の手が鈍っているのは確か。この傾向は顕著に表れている。これから1〜1年半は生産や輸入量が極端に増えることはないだろう。

 

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