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この人に聞きたい:第26回(週刊冷食タイムス:05/12/13号)

東北市場の3割占有めざす

サトー商会
社長
佐藤 正之 氏

サトー商会佐藤正之社長に聞く

生鮮三品含むフルラインに挑戦
メーカー機能を備え物流は一元化へ

業務用食品流通業界は転換期を迎えている。地域密着を売りにする業務用問屋だが、客筋に大きな変動が起きている。学校給食は少子化、そして調理の民営化が進む。外食市場では全国に展開する大手企業の地方進出が増えている。コンビニやスーパーなど大型小売業も同様で、内包する外食・中食のサプライシステムを独自に構築しようとする。こういった地殻変動に業務用問屋がどう対応し、将来展望を描くのか。東北の雄と目されるサトー商会の佐藤正之社長に聞いた。
(聞き手・本紙越川宏昭社長)

――上期の総括と下期の見通しを聞きたい。

 佐藤 上期は微増収、利益は減益でした。そこで、売上高は思い切って20%くらいの増収をめざせといっています。

――業務用市場は停滞しているようだが。中長期の展望としては。

 佐藤 東北地方の業務用市場は七千億円とみている。将来、この三割、二千億円を確保できればと考えています。

――現状の売上げ規模は四百五十億円。四倍以上伸ばさないと目標に到達できないが。

 佐藤 現状の延長戦上ではとても届かない目標です。フルラインに取り組むことで夢にチャレンジしたい。目標到達には現状を拡大するほかに米や酒、さらに肉、魚、野菜の生鮮三品を加えたフルラインへの挑戦が欠かせないと思うのです。

――でも生鮮三品を扱うのは「言うは易く行うは難し」だ。

 佐藤 いきなり精肉や鮮魚とはいかない。肉と魚は冷凍品からはじめればいい。野菜は生鮮品を取り込めるとみている。端的な例をあげると、菓子屋さんにメロン、給食関係に野菜を届けるなど容易にやれることです。乳飲み子を大学生に育て上げる位、気を長くもって取り組んでいきます。

――各カテゴリーの専門知識や産地情報なども必要だ。

 佐藤 産地情報などのデータベースをしっかり築き上げなければならないでしょう。そして地域密着の一元物流を実現するのです。

――日本では米国のシスコ社のような業務用の大手問屋は育っていない。

 佐藤 シスコ社は三兆円企業だが、日本でもやり方次第で不可能ではない。当社は現在ジャスダックに株式上場しているが、いずれ東証一部にいきたいと思います。

――東北市場だけ見ていては無理なのでは。

 佐藤 もちろん東北だけでは限界があります。さりとて自ら活動エリアを広げる考えはまったくない。シスコ同様に同志を募って全国ネットにしないと全国規模の顧客の要請に応えられない。方法論としてはまずジェフサの充実強化が第一と考えます。持株会社を設立する方法もあるでしょう。各地の志が高い問屋がこの持株会社に共同で出資して、各エリアを担当する子会社となるもので、これはシスコ社と同じ形態です。いずれにしろ各エリアでだけでなく、組織的にも市場に対する貢献力を高める必要があります。

――そのためにはフルライン装備も欠かせない。

 佐藤 その通り。そして問屋にはメーカー機能が重要です。メーカー機能というと誤解を招きやすいが、商品開発力と言い換えてもいい。ユーザーが求めるニーズに応えるためのマーチャンダイジング能力です。これによって商品の付加価値を高めることが可能になる。売上高は信用度で、経常利益は役割貢献度で計ることができると思います。

――最近、通販やインターネット利用のビジネスモデルが増えている。

 佐藤 すでに当社のC&C(業務用小売店)での導入を検討しています。しかし、ここでも各エリアの方々との組織的協力が必要です。

――サトー商会は素晴らしい財務内容を誇っている。この経営資源をどう活用するか、経営手腕が問われているのでは。

 佐藤 財テクのような難しいことは分らないが、業務用卸が勝ち残る条件は@メーカー機能Aフルラインの対応B一元的な物流機能の三点だと思う。これを磨き上げれば東北において売上高二千億円、経常利益百億円という夢に到達できると信じています。それが売上高二兆円以上の全国組織の礎(いしずえ)のひとつになれればと願っているのです。

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