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この人に聞きたい:第46回
(週刊冷食タイムス:06/06/13号)

コア商品のシェア向上図る

テーオー食品(株) 代表取締役社長 高橋 正則 氏
プロフィール:(たかはし・まさのり)
昭和20年12月東京生まれ。明治学院大卒業、昭和44年入社。昨年8月から現職。趣味のゴルフの腕前は「負けず嫌い」の結果、シングル。達成したのは「45歳の頃」。60歳

原料高への対処が課題

 昨年八月二十五日付で社長に就任したテーオー食品の高橋正則氏。初年度にあたる今六月期は「売上げをポジティブに考えていこう」と社員に呼びかけて増収とシェアの確保に取り組んでいるが、目線の先にはコア商品の見直しがある。「専業問屋さんが疲弊してしまう前に新しい血液をどんどん送り込むという使命をメーカーは持っている」という高橋社長。来期からは、にんにく、しょうが、中華調味料に次ぐ柱商品の育成に着手する。

――社長に就いて初年度の今六月期、着地見込みは。

高橋 目標を高く設定できる状況下ではありませんでしたが、今まで達成したことのない六十四億円を何が何でも達成しようと今取り組んでいます。前期は六十二億三千万円です。来期は大きな売上げ目標を立てるつもりはありませんが、今期は社長就任の初年度ということを意識し、売上げを優先しました。ただし今期は値上げなしです。数字を追いかけていく限り増収減益が考えられますが、今期については売上げをポジティブに考えていこうと。とはいえ、やはり結果が大事ですから増益につながれば理想です。

――売上げを伸ばすのはシェアアップのため?

高橋 利益の源泉はシェアに他なりません。ここを落とすと、原料事情がメーカーにフォローの風になったとしても、思った収益を上げられません。ですからシェアにはこだわりたいと思います。強いメーカーはそれなりにシェアをおさえています。ある程度シェアがないとユーザーに忘れられてしまうということもありますから。

――しょうが、にんにくで売上げの四割を占めている。

高橋 にんにくは前年比4〜5%増えています。にんにくは単品で十億円を超え、それなりのボリュームにはなっています。当社では十億円を超えると大型商材です。十億円を超えているのは、しょうが、にんにく、中華となります。売上げを分析してみると、今期はしょうがが微増で、にんにく、中華調味料といったものがけん引役になっています。当社の大きな柱であるしょうが、にんにく、中華調味料が堅調に推移。特に中華調味料が全体平均の倍くらいの率で伸びています。にんにくもそうです。ということは、ずいぶん落ちている商品もあるということになります。しかし、あまり細かいところをどうこういうよりも、勘所をきちんと押さえていきたいと考えています。

――勘所を押さえると利益がでるということか。

高橋 ところがそうではないのです。川上インフレ、川下デフレという構図は変わっていません。コア商品は軒並み原料高です。ホースラディッシュは上がっていますし、にんにくは収穫期ですがどうなることかまだ見えません。つい最近ですが、十日間ほど中国の産地を視察してきました。にんにくの作柄は悪くありません。価格がまだ出ていませんが、高値安定になっています。中国自体、内需が相当拡大しており、オリンピックまでは仕方ないかなと思っていますが、万博もありますので。当社も中国国内インフレのあおりを受けているというのが実感です。しかし、末端の需給関係があまりよくないので、どうしても値上げは切り出せません。

――入社後十年間は営業で、後は内勤が約二十五年と長い。

高橋 私が内勤の間に、しょうが、にんにくというコア商品が育ってきたことにより、得意先の視線は当時と随分変わってきました。ある程度、業務用の業界で認知されつつあるのかなと自負しています。またJFSAとかJFDAという大きな組織に香辛料という分野ではかなり浸透してきており、ありがたいことだと思っています。

――テーオー食品の営業姿勢は「まじめ」との評価が多い。

高橋 当社の営業は地道な手売りです。このスタイルは、業務用に特化してやっている以上、そう簡単に変えられません。確実に数字を積み重ねていく、その繰り返しです。一度関係を作ったところはいつまでも残るという利点があります。目先の売上げにとらわれず、自分の成長に努めれば売上げは伸びるものではないでしょうか。私自身が得意先を回っていますと、営業社員の評判が分かります。ある程度売上げを伸ばしている社員は得意先の評価も総じて高いということが分かりました。社内の評価はいらないということでしょう。社員の評価は社外の人にやっていただけるのですから。

――今後は何を手掛ける。

高橋 カレーフレークの見直しを来期あたりから少しずつ手掛けていきたいと考えています。しょうが、にんにく、中華の次にくるのが、わさびやカレーです。カレーはもともとコアな商品なのです。独自性が出るカレーの見直しに少し力を入れていきたいと考えています。

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