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この人に聞きたい:第54回
(週刊冷食タイムス:06/08/08号)

まず製品と会社に誇り持て

日本マッケイン・フーズ(株)
取締役ゼネラル・マネージャー 稲毛 教之 氏
プロフィール:(いなげ・のりゆき)
昭和26年12月22日東京生まれ。青山学院大卒後、貿易会社に入社。平成元年同社に転籍、管理部門を中心に歩む。2年間カナダの工場駐在も経験した。

体制一新し、軌道修正

 日本マッケイン・フーズは先月十二日開催の臨時株主総会で、太田垣公一代表取締役に代わり稲毛教之氏が取締役ゼネラル・マネージャーとして日本の代表に就任した。同社設立二年後に入社、物流や仕入れなどの裏方(オペレーション)を担当してきた。同社の「新しい顔」としてデビューしたての稲毛氏に聞いた。

――役員体制を一新した狙いは?

稲毛 過去六年間(太田垣体制)の軌道修正です。「業績不振の責任をとらされた」という誤解が一番怖いですね。もし業績不振が理由ならば、外資系企業ですから遠慮なく経営陣を日本に送り込み、ドラスチックにリストラするでしょう。急成長を続けてきた日本市場での戦略を一度見直そう、という考え方であり、それだけ日本市場を重要だと捉えている証でもあります。

――日本法人の所属も代わった。

稲毛 日本は一九九九年からマッケイン社の「アジアパシフィック」(豪州メルボルン)という組織に属していましたが、時差の問題や、為替の影響が大きいことから事務所を閉鎖。そこで日本は再びカナダ本社の直轄となった訳です。これまでアジアパシフィックが統括してきた日本、韓国、中国などの現地責任者として、カナダ本社コーポレートディベロップのテリー・バード副社長が各国の代表取締役につきました。

――本社直轄のメリットは?

稲毛 マッケイングループの一企業という立場ではなく、本社直轄の組織となったことで製造への影響は強くなるでしょう。カナダ本社との一体感も強まり、我々は顧客からの要望に対して迅速な対応がとれるようになるのがメリットです。

――日本の実質的な経営トップは稲毛氏、と理解して良い?

稲毛 ええ、登記上はテリー・バードが社長ですが、日本的に表現すれば代表取締役会長で、私が代表取締役社長という位置づけ。太田垣前代表は退きますが、清水崇前専務は役員退任後もR&Dで新商品開発を担当します。

――社内に何を求めていく?

稲毛 細かな政策はこれからですが、まず「自社製品と会社に誇りを持って仕事に取り組みましょう」と伝えました。一九八七年に日本法人として設立以来、来年は二十周年を迎えますから何か企画を考えます。

――ポテト中心は変更なし?

稲毛 世界を代表するポテトメーカーとして製品の品質はもちろん、顧客サービスの充実が大切だと考えています。またカナダで発生したBSEの影響で三年間ストップしていた人気商品「スーパーポケットピザ」をオーストラリアで生産し、今秋から日本での販売を本格的に再開します。さらに小型のケーキや、フィンガースナックにも力を入れます。

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