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この人に聞きたい:第75回
(週刊冷食タイムス:07/1/16号)

市販減収は構造改革の想定内

(株)ニチレイフーズ 取締役副社長 相馬 義比古 氏
プロフィール:(そうま・よしひこ)
昭和48年日本冷蔵入社。営業畑を歩み、広域営業部長から平成10年取締役。事業企画室長等を経て、分社に伴いニチレイフーズ副社長兼営業本部長。昭和25年東京新宿生、独協大経済卒、56歳。


冷食の“本質”訴え直す

 事業分社以降、販促費の効率的投入(絞り込み)、畜肉製品値上げ、業務用シフトなど矢継ぎ早に新しい施策を打ち出してきたニチレイフーズ。販売量拡大と生産の効率化で事業収益を大きく改善した前期に引き続き今期も増益基調だが、上期は市販用冷食で9%減収という痛手も味わった。07年はどう挑むのか。

――市販用冷食、苦労してるが。

相馬 冷食業界の構造、特に値引き販売がいいとは誰も思っていないはず。そこで市販用冷食の仕組みを変えようと、価格や販促費の見直しに05年秋から取り組んでいます。当初から成果が現れるまで2年はかかるだろうと想定し、その間は売上げが落ちると見込んでいましたが、今上期は想定通りに減収、これはやむなしですね。そこで事業全体は業務用でカバーしようと考えてましたが、上期は想定通りの形です。

――冷食業界、根本の問題は?

相馬 商品開発、販売も含めて同質化競争におちいっている点。冷凍特性を捉えた方向になっていない。その反省を踏まえ「冷凍食品って何だ?」という本質追求の問いかけを始めており、これを軸とした取り組みを1年間やってみようと思う。

――例えばどういうこと?

相馬 「冷凍食品は生鮮食品」という旬の捉え方であり、冷凍食品だから保存料不要、鮮度を保つなどの安全性、品質の優位性。これに続いておいしさや簡便性等の要素が来るべき。しかし実態は生活者に簡便性などを先に売りすぎたのではないか。そこで冷凍食品の機能の優先順位を少し変えたいと考えました。冷凍食品の本来の特性、機能が理解されれば、売上げは回復するでしょう。

――その考えに沿って提案する?

相馬 新製品の基本は素材の良さに置き、こだわりの農産素材を開発しました。一方でコモデティ(レギュラー)品ももちろん出します。地域特性を考慮した地域限定品にも取り組みます。その方が自然でしょう。

――日本一の冷食イベントだったコンベンションの開催を中止した。

相馬 これも構造改革。何十年の積み重ねを取りやめることに議論はあったが、顧客の需要が多様化しており、一方でメーカー1社で取り組む限界もある。むしろ市場提案は中間流通に任せ、ニチレイフーズは得意領域で参加して力を充分に発揮することが大事。ニチレイはキッザニア東京、フィギアスケート協賛等を通じたCSR活動を続ける一方、国内各工場はその県内スーパーとの意見交換を進め、商品に反映させるなどの地域活動も始めています。冷食事業の背景、つまり商品も流通も生活者も、プレゼンの手法も変わってきたということ。新年度はもっと強烈にやります。期待してください。

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