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この人に聞きたい:第110回
(週刊冷食タイムス:07/09/25号)

事業部再編で顧客対応に変化

東洋製作所 取締役執行役員 吉井 一 氏

 

特許の取得に力注ぐ
中国市場は技術供与の形で進出

 冷熱エンジニアリングであり、フリーザーの製造も行なう東洋製作所は今年度からカンパニー制度を導入した。奇しくも同時期に前川製作所が従来の分社制度を3つのカンパニーにまとめる改革を行なっており、多様化するニーズに応えられる組織の構造が必要になったと言える。エンジニアリングカンパニー長となった吉井一取締役執行役員に聞いた。(聞き手・越川宏昭水産タイムズ社社長)

――従来あった3つの事業部を2つのカンパニーに再編した。

吉井 以前は事業部別だったため、例えばサービス部門と営業部門の間で様々なずれがあった。それがより一貫性をもってお客様に対応できるようになったことが大きな変化です。

――今期の受注は?

吉井 上期の着地予想は非常にいい。低温分野では冷蔵倉庫を自然冷媒に切り替える動きが活発です。お客様も自然冷媒に転換したことがイメージアップにつながる時代ですし、補助金も出ますから、チャンスではあります。

――御社の強みは?

吉井 冷媒利用技術でしょう。冷凍機を持っていないことは弱みかもしれませんが、逆に言えば冷凍機にとらわれないで環境の変化に対応できるともいえます。実際に現在まで環境の変化に対応できて来ました。低温の技術といっても食品凍結や冷蔵庫など様々で、客層も異なります。色々なニーズがあり、それそれで異なる技術が必要です。そうした個別の技術の社内における流れが、カンパニー制で大きく変わりました。冷媒利用技術で言えば、流れをかえたきっかけの一つがアンモニアとCO2を使った技術。アンモニア利用技術は昔から持っていましたし、ビール業界とかかわっていたためCO2を扱う技術も蓄積できていました。

――アンモニアとCO2を組み合わせた冷熱システムは特許問題があったが。

吉井 技術的には昔から当たり前のように知っていましたが、それを使わなかっただけです。とはいえ、特許となった以上はコンプライアンスの観点からちゃんと特許料を支払っていますので、トラブルにはなりません。

――どこまでが既知の技術なのか、特許は難しいですね。

吉井 当社も今は年に20から30件の特許を取得しようとがんばっています。特許の取得はたとえ売上げにつながらないものでも社内的にはやる気の高揚につながります。表彰とかも会社自体に利益が出ないと閉鎖的な感覚になりますが、利益がでるようになっているのでいい方向に向かうでしょう。

――エンジニアリングカンパニーの社員数は?

吉井 300名です。海外はマレーシアと台湾に計8名います。こちらは半導体製造のクリーンルームですが。

――冷食の海外生産は中国が中心だが?

吉井 中国企業と手を組んでいます。技術供与の形です。過去に代金回収で痛い目にあった経験があり、当社が直に進出するつもりはありません。それに、中国は1回売ればそれを真似されてしまいます。それならむしろ技術供与してロイヤリティーを回収したほうがいい。大きな金額にはなりませんが、確実ですから。以前は1社と手を組んでいましたが、最近、他の1社とも提携を始めたところです。

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