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今週の一本

●解凍乱麻  越川 宏昭 
(週刊冷食タイムス:05/08/16号より)

大手冷食メーカーの事業採算性が悪化。


 大手冷食メーカーの事業採算性が悪化しているという。最大の理由は肉類、魚介類など原材料の高騰らしい。一つ一つの原料の原価に占める比率は小さいが、まとまれば打撃、収支に直接影響してくる。加工業界にとって原料価格の高騰は困りものだが、反対側の漁業者サイドに立って実情を見ると若干様相が異なる。

 国内の水産物の生産者や市場卸は口を揃えて魚価の下落を嘆いているのである。なぜこういうことになるのか。カツオ・マグロ業界を例にとると、平成五年から十四年の十年間で生産量は五万トン減の十五万五トンになった。これに対して生産額は二千億円が一千億円へと半減している。この減少傾向はその後も続いている。加えて、この二年は燃料代が急上昇して漁業経営を圧迫している。燃料代はなんと一・六倍に値上がりしている。これでは経営が成り立たない。魚種によって若干の差はあるにせよ、ほぼ似たような実態である。漁業者と加工メーカーの間で魚価の受け止め方はこれだけ違うのである。

 国内漁業は、魚価の低迷、やせ細る水産資源、燃料価格の高騰という三重苦に苦しめられている。冷食業界としては供給される貴重な水産資源を最大限に生かして、消費者に提供しなければならない。


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