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今週の一本

●今春の冷食新製品  佐藤 巳喜夫(週刊冷食タイムス:07/2/20号)

シニアに各社焦点

業界トップ商材さらに磨き上げ
原料も生産も国内回帰目立つ

 冷凍食品の新たな主軸ターゲットとして、団塊世代を中心とするアクティブシニアをねらった商品攻勢が明確になってきた。値引き販売の常態化に原料高が重なり、収益確保が益々困難になっているため、価格ゾーンを引き上げる期待も含まれている。

 冷凍食品の中心需要だった弁当向けは、少子化に加え、団塊の退職進行とともに働くお父さん向けの市場も減り続けることが確実。
 「このままでは冷食市場が崩壊に向かう」(三宅孝夫加ト吉専務)という懸念は業界の共有意識。「簡便性と安さだけで、冷凍食品の本質追求を二の次にしてきた」(相馬義比古ニチレイF副社長)という反省を基に、考えついたのが大人需要であり、大人が満足する品質、レベルの商品。
 ニチレイFは“大人”シリーズ第一弾で「大人の焼おにぎり」、「焼きカレー」、「茶わん一膳栗おこわ」を発売する。「シニアのセグメントは一つではない、生活スタイルのばらつきが従来のシニア層より大きい」(内海昌彦常務)と捉え「これまでにない“尖がった”開発、特徴を表に出し」(浦野光人社長)商品化した。
 オープン価格だが、焼おにぎり三百五十円、焼きカレー五百〜五百五十円、栗おこわ四百〜四百五十円前後の実売価が想定される。

 加ト吉は“ちょっと高いけどおいしい”と冠し具付スパゲティなどを開発した。また、弁当需要層に限らず「一億二千万人の冷凍食品にするため」(三宅専務)その先兵として冷凍麺玉、具付麺、季節麺を三品ずつ揃える「333」プロジェクトを売場提案する。

 味の素冷凍食品は“カップルアゲイン”層向け「食卓良品」シリーズを「ちょっと贅沢」に昨秋改称し、今春の施策で商品を全面改訂するとともに「販売強化」(進藤大二社長)の姿勢を強く打ち出した。

 日本水産は昨年の干物に続く需要開拓型提案として業界初のお茶漬けに注目した。「子供の弁当利用で冷凍食品になじんだ五十代以上の家庭に、新たな商品を提案し、需要を拓く」(高橋昌明常務食品事業統轄)。

 シニア向け提案の一方で業界トップ商材を磨き上げ、売上げ確保を図る取り組みもある。トップ商材をさらに強くすることで利益も確実に得るのがねらい。
 健康を軸とした商品も一気に増えた。シニアの需要を取り込む意識もある。
 国産原料と国内加工に注目が集まっているのは、世界的な食料需給変化で原料難が現実化したのに加え、安心安全で「国内」に人気があるため。その流れで注目されたのが「北海道」。

 業務用はコロッケで大手メーカーが競合する。不景気時の定番人気品だが、今回は中具の素材感、サク味など品質面を競っている。


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