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今週の一本

●買い付け競争の厳しさ反映 井出 万寿男(週刊水産タイムス:07/05/28号)

ニチロは平均単価がアップ

 大手水産4社の前3月期水産事業は極洋が数量を10%伸ばした以外はいずれも減少。買い付け競争の厳しさが数字に出ている。単価はマルハ、日本水産、ニチロともアップした。

マルハ 魚卵が増加

 マルハは20万2985tで前年比86・3%にとどまった。単価が12.9%アップし、金額は1492億円で同97.4%となった。
 品目別に数量が増加したのは北方魚、魚卵、エビ、貝類。魚卵は前年に比べ25.5%増え、単価が218円ダウンしたものの、金額は前年を5.2%上回った。北方魚は単価が横ばいだったため、数量の3.5%増加がそのまま金額の増加に反映した。
 数量が減少したのは南方魚、サケ・マス、カツオ・マグロ、タコ・イカ、カニ、スリミ。スリミは数量が1.8%減、単価はほぼ横ばいで、金額は1.4%減。

日本水産 鮭鱒43億円増

 日本水産は鮮凍品の合計が16万7129tで前年に比べ5798t(3.4%)減少した。単価は2.3%アップしたものの、金額は1.1%減の1085億円にとどまった。
 主要魚種のうち、前年実績に比べて数量が増加したのは鮭鱒、タラコ、カニ、冷凍マグロ、減少したのはスリミ、エビ、ウナギ。
 鮭鱒は1773t増えた上、単価も11.8%アップしたため、金額は302億円と43億円の増加。エビも9億円増えた。スリミは2561t減少の4万5175t、単価がほぼ横ばい(0.8%ダウン)だったため、金額は131億円と前年に比べ8億6200万円の減少になった。
 一方、油脂・ミールは12万2597tで158億円の扱い。数量は1万5265t減少したが、単価が28%アップしたため、金額は前年実績を確保した。

ニチロ 単体は苦戦

 ニチロは単体が苦戦、ピーターパン・シーフーズ社などの連結子会社がカバーした形となった。
 単体の取扱数量は7万9200tで前年に比べ13.7%減少。単価は平均で53円アップしたものの、売上高は528億円で6.2%減少した。
 主要魚種のうち、前年に比べて数量が増えた魚種はカニ、タラコで、それ以外は減少。サケ・マスは200tの減少にとどまったが、赤魚が前年の5300tから1700t、カレイ類が4700tから3500tへと、いずれも激減。
 単価は赤魚、エビがアップ、タラコ、カニがダウンした。

極洋 ホッケ大幅増

 極洋は13万2395tで前年に比べ1万2128t(約10%)増加した。単価も659円から661円へアップしたため、金額は872億円と前年の796億円に比べ77億円の増加となった。
 扱いが増えたのは鮭鱒、北方魚、エビ、カニ、魚卵で、ホッケなどの北方魚は大きく数量を増やした。鮭鱒、エビは単価も上昇した。北方魚は単価が70円ダウンしたが、数量が1万4243t増えたため、38億円の増収となった。
 南方魚、アジ・サバ・イワシ、鰹鮪は数量が減少したものの、単価は前年より上げている。
 全体としては数量増により増収となったが、国際的な買付け競争の激化に伴うコストアップが利益を圧迫。営業利益は減少した。

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