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今週の一本

●値上げ本格化 去石 誠一(週刊冷食タイムス:07/12/18号)

企業努力も限界

商品コード変更で卸に負担

 先週、ニチロ、アクリフーズ、明治乳業が年明け2〜4月にかけて冷凍食品の値上げを発表した。17日にはケイエス冷凍食品が業務用冷食を3〜15%、2月から値上げすると公表。日本水産も値上げを発表する方向で検討している。値上げの主な要因は小麦粉、油脂、乳製品、水産・畜産原料の大幅な価格上昇や、原油価格高騰に伴う包装資材や物流コストのアップなど。既に今秋から値上げを実施している企業もある。12月の駆け込み値上げ宣言は「企業努力によるコストアップの吸収が限界に達した」ため。メーカー、卸、小売とも値上げに伴う準備作業に追われている。

 ニチロは来年2月から市販用冷凍食品を4〜11%値上げ(内容量の変更含む)する。アクリフーズは市販用を2月下旬出荷分から平均8%、業務用は4月1日出荷分から平均15%値上げする。対象商品は市販用25品、業務用29品。市販用ピザ3品はすでに8月24日出荷分から4.3〜6.5%値上げしているが、チーズの高騰が止まらず、来年はピザ平均で13%値上げする。
 また明治乳業は市販用20品を対象に3月1日から3〜18%幅で値上げする。主力商品の「レンジピッツァ&ピッツァ二枚入」は現行の410円から460円、12.2%の値上げとなる。同社も今秋から主力ピザ3品の希望小売価格を20円ずつ値上げしている。
 各社とも「原材料や包装資材、物流コストの上昇をそのままスライドした値上げではない」ことを強調。「品質を維持するためには止むを得ない価格改定であり、規格変更を含めて最大限の努力を続けている」としている。

 冷凍食品の値上げは約20年ぶり。大多数の営業は値上げの経験がないことから、「顧客に正しく現状を説明できるよう時間をかけて社内研修を進めている」(アクリフーズ)というメーカーもある。また新価格商品が流通在庫と混在しないよう「段ボール箱に目印をつけて対応する準備を進めている」(明治乳業)。メーカー各社は「12月は本来の営業ができず、顧客への説明に追われているのが現状」と語る。
 卸も「価格改定に伴う商品コードの変更に時間を割かれている」と嘆く。価格改定は冷凍食品に限ったことではなく、ほとんどの食品が対象となっているだけに総合食品卸の手間は「通常の管理部門の人間だけでは間に合わず、営業部門からの応援で補っている」という。

 

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