●「細胞性スリミ」実用化へ前進 松田陽平 (週刊水産タイムス:25/11/24号)マルハニチロと一正蒲鉾、インテグリカルチャー/牛と家禽の培養技術を魚に拡張 探究フェーズ完了、次の段階へ 細胞培養の大規模化技術などの開発を行うインテグリカルチャー(東京都文京区、羽生雄毅社長)は、一正蒲鉾(新潟市、野崎正博社長)、マルハニチロ(東京都江東区、池見賢社長)と共同で進めてきた細胞培養食品「細胞性スリミ」の研究開発で初期の節目を迎えたことを20日明らかにした。
環境変化や乱獲に依存しない、持続可能な食料システムの確立をめざす。特に、水産資源の保全や、国際情勢に左右されない安定的なタンパク源の確保(食料安全保障)に貢献し、「新しい食のサプライチェーン(供給網)を築くための第一歩」と位置づけている。 インテグリカルチャー独自の細胞培養技術である「CulNet®System(カルネットシステム)」を核として、細胞培養を未来の食を支える次世代の産業へと成長させるため、3社で連携し、早期の実用化(商業化)をめざす。 2022年9月から、インテグリカルチャーは、一正蒲鉾とマルハニチロの2社と共同で培養魚肉の研究開発を進めてきた。 同研究では、マルハニチロが検証に必要な生きた魚(細胞)の提供を担い、インテグリカルチャーの「カルネットシステム」を使って魚の細胞の培養技術の確立を推進。また、一正蒲鉾が、50年以上続く事業で培ったノウハウを提供することで水産加工食品向けに研究対象を拡大し、培養魚肉の大規模商業化生産をめざしている。 インテグリカルチャー社が独自に展開する食品グレード培養液と汎用大規模細胞培養システム「カルネットシステム」は、これまで牛と家禽の細胞で有効性が確認されており、同研究では新たに魚類の細胞に拡張する方針。 |
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